それが中国クオリティ


朝鮮日報:中国産毒性物質、風邪薬として売られていた/パナマで被害相次ぐ
痛いニュース(ノ∀`):世界各地で起きた死者続出の奇病、「中国製風邪シロップ」が原因だったと判明


死亡者365人て。米国産牛肉や不二家問題なんて足元にも及ばない大事件ですね。大騒ぎにならないのが本当に不思議です。だいたい、嫌韓ネタ以外でソースが朝鮮日報とか、なかなかお目にかかれる光景じゃありません。


薬のまがい物といえば、偽造バイアグラでも結構な数の方がお亡くなりになったと聞きますが、今回のは「被害者の大半は母親が与えたシロップを飲んだ幼い子供たち」という点が輪をかけて痛々しいですね。


ペットフードの毒物混入事件があった段階で、「これ、人でも同じことが起こり得るよね」くらいには思わないでもなかったんですが…………昨年9月の段階で、実はすでに起こっていたようです。


元記事がちょっと誤解を生みやすい書き方になっていてアレですが、実際には中国の業者が偽装販売したのはあくまで「偽グリセリン」であって、べつに毒薬を風邪薬と偽って販売したわけではないみたいです*1グリセリンなんて液体に粘性を与える目的で、ローションやインク等々いろいろなものに使われるありふれた薬品ですし、中国の悪徳業者という奴だって「俺様の儲けのためなら他人が死のうと知ったこっちゃねぇ」みたいな死の商人ではなくって、「えっ、これ医薬品にも使うの? そんなの考えたこともなかったYO!」みたいな人なんじゃないでしょうか。被害が出ている国も、パナマをはじめハイチ、バングラデシュ、アルゼンチン、ナイジェリア、インド、とお金なさげな国が多いですし*2、日本くらいのレベルになると、そうそう得体の知れない薬品が使われることはないとは思うんですけどね。


一方で、「倫理的に誰もそこまではしないだろう」という性善説的な考えはいまどき通用しない、というのも間違いはなさそうです。いまどき、というか様々な価値観の混在する国際社会では、というほうが正しいかもしれません。経済的に差があり、教養レベルに差がある状態では、そもそも「万国共通の倫理感」なんて生まれる余地がありませんしね。「結果がどうなるかは予想できんけど(無知)、とりあえず自分は日々の糧にも困るくらい貧しいんで(経済要因)、偽造品でも売ってしのごう。」みたいな流れで、たとえ極悪人というほどの悪人はいなくとも、悲惨な事件は起こってしまうわけで。


やはり、時間とコストはかかるけれども、人命と密接に関わる部分では厳重なチェック機構を設けて対処するしかないんでしょうね。日本が完璧にそれをできているのかは知りませんが。


にしても、「飲んだら即死」とか「脳がスポンジ」とか、見た目にも分かりやすい毒劇物や病気はチェック機構による際防止もしやすく、いざ問題が起こったとしても露見が早いのでまだマシなんですが、数十年単位でジワジワ効いてくる発ガン物質なんかははっきりいってお手上げです。現実問題としては、安全は、個々人単位で、金で買うしかないんでしょうかねぇ。

*1:風邪シロップに加工したのはパナマ保険当局。

*2:ただの偏見です。実際はどうなんでしょ?