やっぱ、普通に疑問ですよね。
Heisei Resurrection:進化論 〜The Limits of Darwinism〜
『いきなり蘭の形に変異する』なんてことは考えられませんよね。
羽が変異し、足が変異し、頭が変異し・・・と、何段階ないしは何十段階の変異を繰り返してやっと原種からランカマキリの形へと進化できるわけです。
途中の個体が食べられてしまえばやり直し。
孵化した子供達がその変異を受け継いでいなければやり直し。
一つ一つの変異でもかなり確率が低いのに、それらを全て併せれば(かけ合わせれば)天文学的な分母を持つ確率になってしまいます。
これはもちろん進化は起こり得ないと言っているわけではなく、この分数をせめて『なんとかあり得る』と言えるオーダーまで大きくする何らかの要素が存在するであろう事を示唆しているわけです。
それが一体何なのか。
これはいい感じの文章ですね。研究のイントロ書くのに、いずれ参考にさせてもらうかもしれません。
1つ2つ補足するなら、
- 実際の「変異」というのは遺伝子(ゲノム)上で起こるイベントであって、
- それが目に見える形(表現型)として現れるのには若干のタイムラグがある(場合もある)。
- たとえば、両親由来の遺伝子が両方とも「花の色になる」タイプの遺伝子でないと、見た目が花の色にならない、等々。
- なので、ある1匹の「花の色になった」個体が生き残りに失敗したとしても、その背後には「花の色になる」変異遺伝子の大規模なプールがある可能性もある。
- その場合、この方が言うように「最初からやり直し」にはならない。長い時間をかけて1つ1つの形質を順番に獲得していくことも、原理的には可能だろう。
- とはいっても、その「タイムラグ」なるものにも限界はあるわけで、即戦力として役立たない遺伝子はそうそう長持ちはしない。
- やっぱり、ハナカマキリみたいな凝ったものができてくるのは、不思議だなー。
ちなみに、『少しだけ蘭に似ている』『結構蘭に似ている』『微妙に蘭に似ている』カマキリは、います。